「カレー」と聞くと多くの人がまず思い浮かべるのはインドカレーでしょう。けれども実は、スリランカカレーはまったく異なるスタイルを持っています。
「同じカレーなのに、なぜここまで違うの?」と驚く人は少なくありません。さらりとした口当たり、副菜を混ぜ合わせる楽しさ、そしてモルディブフィッシュが生む深い旨味。こうした特徴は、インドカレーにはない新しい体験を運んでくれます。
本記事では両者を徹底比較し、初心者でもわかりやすく整理しました。読み進めることで「次はスリランカを食べてみたい」と思えるヒントが必ず見つかります。
インドカレーと何が違う?“ひと目で分かる”徹底比較表(味・油・とろみ・主食・副菜・旨味)

味と油脂—スリランカは“さらり&軽やか”、インド(特に北)は“濃厚&油多め”の傾向【比較表】
スリランカはココナッツの風味が下支えになり、油は控えめで後味が軽い傾向です。北インドはギーや乳製品を使う料理が多く、同じスパイスでもリッチでコク深い印象になります。こうした方向性の差は、食後感にもはっきり現れます。
とろみと口当たり—スリランカはとろみが弱く“スープ寄り”、インドはとろみ強め
スリランカのカレーは小麦粉でのとろみ付けを基本的に行わず、さらりと流れるテクスチャーになります。インドは地域差がありますが、北ではとろみのあるグレイビーを楽しむ店も見られます。
主食と食べ方—スリランカは“ライス&カリー+副菜混ぜ”、インドは地域差あるが“ナン/ロティ”文化が強い
スリランカの定番はライスの周りにカレーと副菜を配した「ライス&カリー」で、少しずつ混ぜながら味を作ります。インドは北でナン/ロティ文化が強く、南は米文化で水分の多いカレーも多いという違いが見られます。
旨味の作り方—スリランカは“モルディブフィッシュ(乾燥カツオ)+ココナッツ”が鍵
スリランカは乾燥カツオ「モルディブフィッシュ」とココナッツ(ミルク/オイル)で旨味と丸みを作るのが特徴です。インドでは出汁としての魚系乾物を常用する地域は限られ、旨味の作り方にも個性が分かれます。
比較表(要点)
比較軸 | スリランカ | インド(特に北の一般像) |
---|---|---|
味の方向性 | 軽やか・シャープ | コク深い・リッチ |
油脂 | 控えめ/ココナッツ系 | 多め/ギー・油 |
とろみ | 弱い(スープ寄り) | 強めのグレイビーも多い |
主食 | 米(インディカ米) | ナン/ロティ+米 |
食べ方 | 副菜を混ぜて味を作る | パンで掬う、地域差大 |
旨味の軸 | モルディブフィッシュ+ココナッツ | 玉ねぎ・トマト・乳製品など |
スリランカカレーの“基本”を3分で把握(ベース・スパイス・副菜・盛り付け)

ベース—ココナッツミルク/オイルを多用
温暖な気候でココナッツが身近なため、ミルクやオイルが頻繁に使われます。これが軽さと香りの要になり、辛さを受け止める“丸み”も生まれます。
スパイス—トゥナパハ(ミックス)・カレーリーフ・ランペ(パンダン)を使い分け
「トゥナパハ」はコリアンダーやクミンなどを炒って挽いたミックス。さらにカレーリーフやランペ(パンダン)といった生ハーブ類を合わせ、香りの層を重ねます。
副菜—ポルサンボル/パリップ/モージュなどを“混ぜて味変”する設計
唐辛子とココナッツの「ポルサンボル」、レンズ豆の「パリップ」、揚げ野菜の酸味漬け「モージュ」などを混ぜるほど、辛味・酸味・甘味・旨味のバランスが変わり、同じ一皿でも無数の表情になります。
盛り付け—ワンプレートの“ライス&カリー”が基本
中心にライス、周囲にカレーや副菜を配するワンプレートが定番で、見た目にも楽しい構成です。ビジュアルの映えも人気の理由になっています。
体験としての違い—“混ぜて食べる”がなぜおいしいのか

右手で混ぜて一口量をつくる食作法(手食の基本)
右手の指先で米と副菜を軽く混ぜ、小さな山を作って口へ運ぶのが伝統的な所作です。衛生面に配慮しつつ、スプーンを併用する店も増えています。初めての方は無理せず、自分に合う方法で楽しむと良いでしょう。
味のロジック—炭水化物×脂質×酸味×辛味の比率を“その場で最適化”できる
混ぜる行為は、米(甘味・食感)、ココナッツや油(コク)、副菜の酸味、青唐辛子や黒胡椒の辛味を、口の中でちょうど良い比率に整える作業です。料理としての“完成形”を、食べ手が仕上げるのが面白さです。
慣れない人向け—手食とスプーンのTPO
店や相手の雰囲気に合わせ、スプーンで食べても問題ありません。右手を使う場合は、左手は器に触れないのが基本で、紙ナプキンを用意しておくと安心です。
代表的な具材・副菜・スパイス辞典

モルディブフィッシュ(ウンバラカダ)—旨味担当
乾燥カツオで、出汁のように旨味を増幅させます。豆や野菜の繊細な味に奥行きを与える役目です。
ココナッツ(ポル)—ミルク/オイル/ファイン
ミルクはコク、オイルは香り、細かく削ったファインは副菜の食感づくりに活躍します。
トゥナパハ・カレーリーフ・ランペ—香りと下支え
炒って挽いたミックススパイスに、柑橘系の清涼感をもつカレーリーフや、甘く青い香りのランペを重ね、軽いのに満足感のある香味になります。
パリップ(豆)・ポルサンボル・モージュ・マッルンの役割
パリップは“やさしさ”、ポルサンボルは“辛味と香ばしさ”、モージュは“酸味”、青菜炒めのマッルンは“青さ”を与え、混ぜるほど味の輪郭が変化します。
地域と文化の差分—南インドとの共通点/シンハラとタミルの“味のレンジ”

南インドとの共通点と相違点—米食・酸味・水分量は近いが“旨味の足し方”が異なる
南インドとスリランカはいずれも米が主食で、水分量の多いカレーや酸味のきいた料理が多い点で近い関係にあります。どちらもココナッツ、カレーリーフ、マスタードシード、黒胡椒などの香りを重ねる調理が得意です。
一方で、味の芯の作り方には違いが出ます。スリランカはモルディブフィッシュ(乾燥カツオ)を出汁のように使い、ココナッツミルクで輪郭をやさしくまとめることが多いです。南インドはタマリンドやトマトの酸味、レンズ豆(ダール)の旨味ととろみを組み合わせ、サンバルやラッサムのような“酸味×スパイス”の清澄感を前面に出す傾向が目立ちます。
また、スリランカではロースト(炒り)したカレーパウダーとノンローストを料理ごとに使い分け、香ばしさや色合いを調整します。南インドでも自家製マサラを挽きますが、サンバルパウダーやチャートニーなど用途が明確で、豆や酸味の使い方で個性が際立つといえるでしょう。結果として、両者は見た目が似ていても、旨味の足し方と最終的な口当たりが違って感じられます。
スリランカ北部(タミル)・南部沿岸の傾向—海産物や辛味の強さなど
スリランカ国内だけでも“味のレンジ”は広がります。特に北部(ジャフナなどのタミル文化圏)と南部沿岸では、使う香辛料や酸味、辛さの立たせ方に特徴が出ます。
- スリランカ北部(タミル)
- ローストの強いカレーパウダーや乾煎りした唐辛子を使い、色合いが深い赤褐色になりやすいです。
- 辛味がシャープで、香ばしさが前面に出ます。代表例はジャフナのクラブカレーや濃厚なマトンカレー。
- ココナッツは使いつつも、辛味とスパイスの香ばしさで骨格を作るため、味の輪郭がくっきりします。
- 南部沿岸(ゴールやマタラなど)
- 魚介の鮮度を活かしたカレーが主役で、カツオ、マグロ、ツナ、エビなどが登場します。
- 酸味にはゴラカ(ガルシニア)をよく用い、アンブル・ティヤル(酸味の効いた魚カレー)のようにキレのある酸味で引き締めます。
- ココナッツミルクの使い方は軽やかで、さらりとした口当たりに仕上げる一方、ポルサンボルなど副菜の辛味・香りを重ねて立体感を出します。
このように、同じスリランカでも北は力強い辛味と香ばしさ、南沿岸は海の旨味と酸味のキレが印象的です。どちらも副菜を混ぜると表情が変わる点は共通しており、混ぜる設計によって辛さや酸味の体感を自分好みに調整しやすいのが魅力といえます。
まずは食べてみる—日本で“違い”を体験する3ステップ

外食—主要都市のスリランカ料理店
はじめの一歩は外食が効率的です。お店なら「副菜を混ぜて完成させる」体験を、完成形の盛り付けで味わえます。初訪問では次のポイントを意識してください。
- 注文のコツ
- 「ライス&カリー(ワンプレート)」と書かれたセットを選ぶと、主カレー+副菜が一皿で届きます。
- 主カレーは魚(ツナ/マグロ系)またはチキンが初心者向けです。香りがわかりやすく、混ぜてもバランスが取りやすいからです。
- 辛さと量の調整
- 「辛さ控えめでお願いします」と頼める店もあります。可否は店舗により異なるため事前確認が安心です。
- 量が多い場合はライス少なめをお願いすると、最後まで飽きずに食べ切れます。
- “混ぜ方”のミニ手順
- ライスにパリップ(豆)をのせて一口。
- 主カレーを足して、辛味と香りを重ねます。
- ポルサンボルや酸味の副菜を少量ずつ混ぜ、味の輪郭を調整。
- 好みのバランスが見つかったら、その配合で数口続けてみましょう。
- 観察ポイント
- 油の量が控えめで、さらりとした口当たりか。
- ココナッツとモルディブフィッシュ由来の旨味が感じられるか。
- 副菜の辛味・酸味・青さの足し引きで味がどう変わるか。
主要都市では専門店が複数ありますが、具体的な店舗名や最新の営業情報は変動があるためここでは不明です。地図アプリやグルメ媒体で「スリランカ ライス&カリー」と検索すると見つけやすくなります。
レトルト・ペースト—“カレーの壺”など本場系ペーストの活用
自宅で手早く“さらり系”に寄せたいなら、レトルトや調理ペーストが近道です。手順を少し工夫すると満足度が上がります。
- レトルトを“スリランカ寄り”にする小技
- ココナッツ感が弱い場合:ココナッツミルク大さじ2〜3を加えてひと煮立ち。
- 旨味を増やしたい:鰹節ひとつまみをお茶パックに入れて1〜2分煮出し、取り出します(モルディブフィッシュの方向性)。
- もったり感が強い:湯またはココナッツウォーター小さじ2〜3でのばし、黒胡椒を挽いて輪郭を出します。
- ペーストの基本比率(目安)
- 2人分:ペースト大さじ2/玉ねぎ1/2個/油小さじ1/水200ml/ココナッツミルク100ml。煮詰め過ぎないのがコツです。
- 魚・鶏いずれも合いますが、初回は鶏もも300gをひと口大に。火入れが安定し、失敗しにくくなります。
- “混ぜる体験”の添え物
- パリップ(豆カレー):市販のレトルトでも可。
- ポルサンボル:ココナッツファインが無ければココナッツロングを細かく刻んで代用。
- 酸味パーツ:らっきょう少量やレモンで即席に。味が締まり、途中で飽きません。
※商品ラインナップは変動するため、銘柄名の最新性は不明です。ラベルに「スリランカ風」「ココナッツ」「魚カレー」などの記載があるものを目安にすると選びやすくなります。
おうち再現—最低限の買い物リストと代用案
“それっぽさ”を最短で出すための優先度つき買い物リストと、手に入りにくい場合の代用をまとめます。
優先度A(必須に近い)
- ココナッツミルク:味の丸みと南国感の核。
- 黒胡椒:スリランカらしい辛味の軸。ミル挽きが理想です。
- 玉ねぎ/しょうが/にんにく:土台の香味。
- コリアンダー(ホールでもパウダーでも可):基本の香り。
優先度B(あると一気に近づく)
- カレーリーフ(乾燥でも可):清涼感と“らしさ”。
- トゥナパハ(スリランカ系カレーパウダー):なければ自家ブレンド(コリアンダー2:クミン1:黒胡椒1:ターメリック1)で代用。
- モルディブフィッシュ:代用は鰹節を砕いて短時間抽出。
優先度C(余裕があれば)
- ランペ(パンダンリーフ):甘く青い香り。代用は不明のため、省略でOK。
- ゴラカ:酸味担当。代用はタマリンドやレモンで十分近づきます。
保存と道具のミニTips
- ココナッツミルクは余ったら製氷皿で冷凍し、1キューブ=大さじ1目安で使い回すと便利です。
- スパイスは遮光密閉で保存すると香りが長持ちします。
- あると便利:小さめの片手鍋(副菜用)とフライパン(主カレー用)。同時進行で“ワンプレート感”が出やすくなります。
最短メニュー例(2人分・30分目安)
- フライパンで油小さじ1→玉ねぎ1/2個を薄色まで。
- しょうが・にんにく各小さじ1、トゥナパハ大さじ1を加え、弱火で30秒。
- 鶏もも300g、水200ml、ココナッツミルク100ml。塩で調え、黒胡椒をたっぷり。煮詰め過ぎないよう5〜8分。
- その間にパリップ(レトルト)を温める。ポルサンボルはココナッツファイン+唐辛子少量+塩+レモンで即席に。
- 皿にライス、周囲に主カレー・パリップ・ポルサンボルを盛り、混ぜて完成です。
つまずきポイントと対処
- 味が重い → 水またはココナッツウォーターでのばす+黒胡椒で輪郭出し。
- 香りが弱い → 仕上げにカレーリーフを少量加えて温め、香りを移します。
- 辛すぎる → ココナッツミルクを少量追い足し、パリップの量を増やして調整。
この3ステップ(外食→ペースト→おうち再現)を順に踏むと、“さらり&混ぜて完成”というスリランカの核を短時間でつかめます。まずは一皿、次に副菜、最後にスパイスへと広げると、失敗が少なく、楽しく続けられます。
家庭で作る基本レシピ(“さらり”仕上がりを再現)

ベースの工程—スパイス→玉ねぎ→ココナッツ→酸味→仕上げの香り
材料(2人分の目安)
- 鶏もも肉または白身魚(切り身):300g
- 玉ねぎ:1/2個(みじん切り)
- にんにく・しょうが:各小さじ1(すりおろし)
- 油:小さじ1〜2(ココナッツオイルがあれば最適)
- トゥナパハ(スリランカ系カレーパウダー):大さじ1(代用はコリアンダー:クミン:ターメリック:黒胡椒=2:1:1:1)
- ホールスパイス(任意):マスタードシード小さじ1/2、フェンネル少々
- ココナッツミルク:100ml
- 水:200ml
- 酸味:タマリンドペースト小さじ1(なければレモン汁小さじ1でも可)
- カレーリーフ(乾燥でも可):ひとつまみ
- 塩:小さじ1/2〜適量
- 仕上げ用黒胡椒:適量
道具
フライパンまたは浅鍋(24cm程度)、木べら、計量スプーン
手順
- スパイスを起こす
中火で油を温め、マスタードシードを入れます。パチパチ弾けたら火をやや弱め、フェンネルをひと混ぜ。香りが立ったら玉ねぎを投入。 - 玉ねぎで土台を作る
弱めの中火で5〜6分、うっすら色づくまで炒めます。にんにく・しょうがを加え、香りが甘く変わるまで30秒。 - スパイスの粉を合わせる
火を弱め、トゥナパハ(または代用ブレンド)を加えて15〜20秒だけ軽く炒めます。粉が焦げやすいので手早く混ぜてください。 - 具材を入れる
鶏肉(または魚)を加え、表面がスパイスで薄くコートされるまで1分ほど炒め合わせます。 - ココナッツ→水で“さらり”へ
ココナッツミルクと水を注ぎ、塩で下味。弱めの中火で5〜8分、沸騰させずフツフツを維持します。煮詰めすぎると重くなるので注意。 - 酸味で輪郭を出す
タマリンドを溶き入れ、味がしまったら火を止めます。レモンで代用するときは火を止めてから加えると角が立ちません。 - 仕上げの香り
別の小鍋で油少量を温め、カレーリーフをさっとくぐらせて香りを出し、鍋へ回しかけます。黒胡椒を挽いて完成です。
ポイント
- “さらり”の決め手は水分量と加熱時間。とろみが強くなったら水を小さじ2ずつ足して調整しましょう。
- 旨味が弱いと感じたら、鰹節をお茶パックに入れて1〜2分だけ煮出し、取り出すと方向性が近づきます(モルディブフィッシュの代用)。
魚/鶏/豆で“具材1種×副菜複数”の組み合わせ例
スリランカ式は「主カレーは1種+副菜で厚み」が定番です。混ぜる楽しさが増すよう、味の役割が異なる副菜を合わせましょう。
A:魚カレーが主役(軽やか&酸味)
- 主:マグロやカツオの魚カレー(上記レシピ。酸味は少し強め)
- 副菜:パリップ(豆のやさしさ)+ポルサンボル(辛味・香ばしさ)+きゅうりのサラーダ(冷たい酸味)
- 体験のコツ:一口目は魚+パリップで穏やかに、途中からポルサンボル少量でアクセントを付けると味の起伏が出ます。
B:チキンカレーが主役(バランス型)
- 主:ココナッツミルク控えめのチキンカレー
- 副菜:人参のマッルン(ココナッツ炒め・甘み)+モージュ(揚げ野菜の酸味)+青唐辛子のピクルス(辛味のスイッチ)
- 体験のコツ:混ぜるたびに辛味→酸味→甘みの順で足すと、単調さを避けられます。
C:豆カレーが主役(ベジタリアン)
- 主:パリップ(レンズ豆)
- 副菜:揚げなすのスパイス和え(コク)+ポルサンボル(香りと辛味)+青菜のマッルン(青さ)
- 体験のコツ:最初は豆+青菜で軽く、途中で揚げなすを足すと満足度が上がります。
比率の目安(1人分)
- ライス150〜180g/主カレー120〜150ml/副菜3種×各大さじ2〜3。混ぜる前提なので、主カレーはやや薄めにすると全体がまとまります。
失敗しがちなポイント—油量・煮詰め過多・スパイスの焙煎過多を避ける
よくある症状 → 原因 → すぐできる対処
- 重たい・もったりする
→ 油やココナッツミルクが多い/煮詰め過ぎ
→ 水やココナッツウォーターを小さじ2ずつ加えてのばす。次回は油を小さじ1から始めて調整。 - えぐみ・苦みが出た
→ スパイスを長く炒め過ぎ
→ 粉スパイスは弱火で15〜20秒だけ。出てしまった苦みは砂糖ひとつまみと酸味少量で目立ちにくくなります。 - 香りが弱い/途中でぼやける
→ 仕上げの香り付けが不足
→ 最後にカレーリーフを軽く油にくぐらせて回しかけます。黒胡椒を挽き足すのも効果的。 - 辛すぎて食べにくい
→ 青唐辛子の量が多い
→ ココナッツミルクを少量追加し、パリップを混ぜて緩和。次回は青唐辛子を種抜きに。 - 味が平坦で物足りない
→ 酸味・辛味・甘みのバランス不足
→ タマリンド少量で輪郭を立て、ポルサンボルひとさじで香りと辛味を補強。副菜を混ぜる順序を変えるのも有効です。
仕込みの小ワザ
- ココナッツミルクは製氷皿で冷凍しておくと微調整が楽になります。
- 乾燥カレーリーフは油で軽く温めてから使うと香りが出やすいです。
- 魚は煮崩れしやすいので、最後の5分で入れると身がふっくら仕上がります。
——
この流れを押さえると、「さらり」とした口当たりを保ったまま、混ぜるほどに表情が変わるスリランカらしさが家庭でも再現できます。次は副菜の種類を一つ増やし、混ぜ方のバリエーションを試してみてください。
辛さ・主食・食材の不安をスッキリ解決(スリランカカレーQ&A)

「スリランカ=必ず激辛?」→辛味の源は黒胡椒・青唐辛子が中心で調整可
「スリランカカレーは激辛だから食べられない」と思っている方は多いですが、実際には辛さの幅はかなり広いです。唐辛子も使われますが、特に目立つのは黒胡椒のピリッとした刺激や青唐辛子のフレッシュな辛味です。副菜を多く混ぜながら食べるので、辛さを和らげたり強めたり自分で調整できます。レストランでは辛さを控えめに注文できることもあり、初心者でも安心して挑戦できます。
「ナンで食べる?」→基本はライス、ホッパー等は別料理
インドカレーと聞くとナンで食べるイメージがありますが、スリランカの主食はライスです。大皿にライスを盛り、周囲に複数のカレーや副菜を添える「ライス&カリー」が基本スタイル。もちろん、米粉を使ったクレープ状のホッパーや、蒸し麺のようなストリングホッパーなども存在しますが、これはライス&カリーとは別の料理カテゴリーです。スリランカカレーを体験するなら、まずはお米と一緒に味わうのが正統派といえるでしょう。
「スパイスは手に入る?」→通販や専門店で入手可、代用優先度の目安を提示
「珍しいスパイスばかりで再現できないのでは?」と思われがちですが、近年は通販やアジア食材店で多くのスリランカ食材が手に入ります。特にココナッツミルク・カレーリーフ・モルディブフィッシュが特徴を出すカギになります。どうしても入手できない場合は、カレーリーフは乾燥品でも代用可能、モルディブフィッシュは鰹節を軽く砕いて加えると雰囲気が近づきます。優先度としては「ココナッツ>豆類>スパイスブレンド>乾物」の順で揃えると、手軽にスリランカらしさを再現できます。
味の違いを体感する実践ガイド

副菜だけ作って“混ぜる体験”から始める(ポルサンボル/パリップ)
スリランカカレーをいきなり一式再現するのは大変ですが、副菜を2種類だけ取り入れると一気に体験が近づきます。おすすめは、唐辛子とココナッツで作るポルサンボルと、レンズ豆を煮込んだパリップ。シンプルな日本のチキンカレーや市販のレトルトカレーに添えるだけで、混ぜて味を変化させる“ライス&カリー流”が味わえます。副菜を追加することで、普段のカレーが立体的な味わいに変わり、スリランカ独自の「混ぜて完成させる」魅力を実感できます。
1分で分かる“混ぜる順番”ガイド
スリランカカレーは、最初から全部を混ぜるのではなく、少しずつ味を重ねるのが醍醐味です。初心者は次の順番で試すと味が暴れにくく、変化が楽しめます。
- ご飯にパリップをのせて、まずはやさしい豆の旨味をベースに。
- そこに主役のカレー(魚やチキンなど)を合わせて、スパイス感をプラス。
- 次にポルサンボルを少し加えて、辛味と香ばしさでアクセントを出す。
- 酸味のある副菜(モージュなど)があれば加え、味のバランスを整える。
このステップを繰り返しながら食べ進めることで、一皿の中で“味の旅”を楽しめます。
おすすめの比較体験—同日同皿で“インド(北)とスリランカ”を食べ比べる方法
違いをはっきり体感するには、同じ日に2種類のカレーを並べるのがおすすめです。たとえば、北インドの濃厚なバターチキンと、スリランカのさらりとした魚カレーを同じテーブルに用意してみましょう。インドカレーはクリーミーでリッチ、スリランカは軽やかで副菜との掛け算が魅力、と両者の個性が鮮明に浮かび上がります。自宅で作ってもいいですし、レストランで持ち帰りを利用するのも手軽です。一度に体験することで「カレー=インド」という固定観念がほぐれ、新しい世界が広がります。
まとめ
スリランカカレーは、軽やかな口当たり、副菜を混ぜて完成させる体験、モルディブフィッシュとココナッツの独自の旨味が核になります。インドと共通点もありますが、主食やとろみ、油脂の使い方、香りの作り方で“別の料理体系”と言えるほどの違いが明確です。
まずは外食やレトルト、ペーストで体験の第一歩を踏み出し、気に入ったら家庭で副菜から導入すると再現が楽になります。地域ごとの個性にも触れれば、同じ「ライス&カリー」でも無数の魅力に出会えます。
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